<第2期 活動報告>【横浜をつなげる30人 Day6】〜中間報告会:各々のチームの「より良い社会をつくる」ための「構想」を「実践」へとつなげる〜

2022年3月23日、第2期「横浜をつなげる30人」の中間報告会がオンラインで開催されました。ここまで約半年間、チームを組んで横浜のために議論を重ねたり、イベントを開催してみたりと、試行錯誤で進んできた2期メンバーの皆さんにとって、6月に開催される予定の最終報告会に向けて現在地を確認し、新たな未来を描く位置づけの日です。

中間報告会には、1期でメンターをしてくださった横浜市デジタル統括本部の石塚清香氏を初め、2期メンバーの発表を楽しみに、なんと1期生が運営チームも含め総勢13名も駆けつけ、ちょうど1年前に行われた1期の中間報告会を思い返しながら温かいコメントやエールを贈る時間となりました。それでは早速各チームの発表の様子を見ていきましょう。

Why Yokohama

「他都市にない横浜の尖った魅力は何か」を探り、オリジナリティを大事にした”持続的なYokohamaの発展”に寄与する活動を行うことをビジョンに掲げる「Why Yokohama」。参加メンバーは、本業で観光やまちづくりに携わるメンバー、行政からのメンバー、普段は研究などに携わるメンバー等、歌手活動をプライベートで行うメンバー等、多様な背景を持つメンバー10人で構成されています。

ここまでの議論の中では「他都市にない横浜の尖った魅力」について話し合ってきましたが、時に議論が発散してしまい、発表者の坂口さんの言葉を借りれば「沼にハマってしまっていた」状態だったようで、なかなか方向性が見いだせない時期が長く続いていたそうです。

現在は、横浜を愛し、横浜を想う市民だけではなく、外部視点を取り入れようという方向で動き始め、「外部から横浜の魅力を語ってもらう企画」と「シビックパワーバトル」の2つを具体的に構想しているとのこと。今後に向けて、エリアや地域を絞った取り組みにしていくか、はたまたメンバーの所属組織が提供できるコンテンツ等を切り口に進めていくか、等の方向性が定まってきました。話し合っているだけではなく、早く動き出したい!という意欲を感じる発表となりました。

【オブザーバーからのコメント】
安食真氏(有限会社スタジオニブロール/横浜をつなげる30人1期メンバー)
まずは、横浜が大好きな市民の1人として、こういう活動が進んでいくとよいなと思います。“尖った”といっても、Deepな町という意味なのか?ハイクラスな町の尖り方なのか?どのような尖り方のイメージなのか、また、「尖った」という言葉の定義について、メンバー間で明確にしつつ進んでいくとよいのかなと思いました。

子どもの可能性Lab

「子どもも親も明るく未来を信じることができる社会を作る!」をビジョンに掲げて活動する「子どもの可能性Lab」。VUCAと言われる時代、子育ての価値観も大きく変容する中で、「親として子どもにどのような体験をさせてあげられるだろう?」「自分達の子育ては正解か?」等、親も子育てに対して漠然とした悩みを抱えているのではないか、との問題意識を起点に活動が始まりました。

このチームでは、2022年3月に、3〜6歳の子どもを抱えるパパママをメインターゲットに、オンラインで「子どもの可能性を考える価値観共有座談会」を開催しました。心理的安全確保のため、参加者は全員匿名参加、また、ビデオフィルターで仮装を行って「習い事」「夫婦での子育ての価値観の違い」「デジタル機器と子どもとの付き合い方」等をテーマとした座談会が繰り広げられました。参加者からも好評の声が多かったことから、今後も月1回程度、同様の企画で子育ての多様な価値観に触れられる機会を提供していくほか、企業や横浜市との連携も視野に活動を拡げていくそうです。

【オブザーバーからのコメント】
吉永崇史氏(横浜市立大学准教授)
「こういう風に子どもに成長してほしい」という親の願いと、「目の前の子どもに向き合っていく」ということの2つの視点があり、それらがうまくかみ合わさるとよいのかなと思いました。親は、例えば中学受験ひとつをとっても、自分が経験してきたことから受験することを押し付けたり、自分が経験できなかったことを提供したいと願って方向づけたりします。でもこれらはいずれも親視点のみで子ども視点が不在なんですよね。どうしても親視点優位で子どもに接していきがちなので、子どもの世界から見るとどう感じているのか、について親が考えたり体感したりして、それをきっかけに親と子が話し合いできるような機会があるといいなと思いました。

あんしんよこはま

あんしんよこはまのチームの発表は「横浜が好きで横浜で子育てしているけれど、コロナ禍による社会の変化もあって、子育て世帯が横浜で暮らし続けたいという魅力が薄れてきているのではないか?」というドキッとするような問題提起から始まりました。だからこそ、「家族の見守りで多世代、地域に拡がる安心な横浜をつくる」ことで、日本一家族が暮らしやすい街、横浜をつくっていくことをビジョンとして掲げています。

2022年1月のオープンセッションを経て、商店街関係者など、地域のステークホルダーと対話を重ねていく中で「現在の小学生以上の子どもの見守りは高齢者に支えられている」というインサイトにたどり着き、活動の方向性を「見守りナッジ」「見守りICT」の2つに絞り込みました。「見守りナッジ」は、犬の散歩や買い物等のついでに住民が行う「ながら見守り」のことで、既に色々な地域での実践も広がっているため、これを具体的に商店街等に提案を行っていくことを構想しています。「見守りICT」の方は、福岡のスタートアップOtta社がブルートゥースのビーコンで居場所を知らせる見守りインフラを作っているので、こういった取組みを市内全域に広げていくようなことを構想しています。「#あんしんよこはま」ハッシュタグでのSNS等での情報発信にも着手し、子どもを安心して生み育てられる横浜をつくっていくためのあらゆる取組を行っていくそうです。

【オブザーバーからのコメント】
芦澤美智子氏(横浜市立大学准教授)
皆さんが活動する上で、最大のペインは誰のどんな課題なんでしょうね?それを突き詰めたところに、事業化の道筋が見えそうですね。今考えているように、社会インフラで課題解決を目指すことが良いのか?もしくは、強烈なペインを持っている人のもとに受益者課金で届けるのか?後者で事業的に解決していく道筋も見いだせるのではないかと思いました。社会インフラの方で考えると、商業施設等に導入してBtoBで導入していく可能性もあるのではないかと思いました。

ままMaioka

このチームは、横浜市戸塚区舞岡町を中心として港南区にかけて広がる「舞岡公園」の素晴らしい自然をいかにして次の世代に受け継いでいくか?ということをテーマに活動しています。フィールドとしている舞岡公園には、古民家や田んぼ、雑木林など、里山の原風景が残されており、貴重な生物資源の宝庫となっています。これらの自然は都市化の流れの中で先人たちの不断の努力の積み重ねで残されているものですが、今、横浜市から公園の管理委託を任されているNPO法人では、管理者の高齢化や次世代管理者の候補者が少ないことが課題になっているようです。

ままMaiokaチームでは、現在、活動の方向性として「公園ボランティアや管理者の活動を対外的に発信していくこと」「近隣のステイクホルダーとの橋渡しをしていくこと」等を掲げています。公園管理の担い手の高齢化や不足は決して舞岡公園だけの課題ではなく、横浜市全域、また都市近郊の公園に共通する全国的な課題です。都市のライフスタイルと豊かな自然、どちらについても享受している横浜市民ですが、享受するばかりではなく、生産者側や次世代に受け継いでいく側の視点に立つと、また違った公園の姿が見えてくるかもしれません。ままMaiokaチームの試みを継続していった先に、そんな都市の共通の課題に対して新たな道筋を照らしてくれる活動に発展していく可能性を感じました。

【オブザーバーからのコメント】
石塚清香氏(横浜市役所デジタル統括本部/横浜をつなげる30人1期メンター)
市役所で働いていると、コミュニケーションコストを下げるためにどんどん縦割りの組織になっていってしまうということがあります。でも皆さんのように部門の壁を取っ払って、色々なステークホルダーを横繋ぎしていく活動というのは、実はとても貴重で有難いことだと思います。横浜市には、都市整備局のまち普請事業や共創推進事業等、市民に開かれ、市民と協働している部署もありますので、ぜひそういった仕組みもうまく活用して、今後のご提案をしていただければうれしいです。

IKIGAI

横浜のコミュニティは「つなげる30人」の場以外にもたくさんあるのに、限られた人だけの参加に留まってしまっていることや、コミュニティ同士がつながっていかない点に課題感を持って活動をスタートさせたのがIKIGAIチームです。特にU-30の世代で、社外の活動にも興味はあるがきっかけやつながりがなくなかなか一歩を踏み出せない、というモヤモヤを抱えた個人や、そうした若手を抱える大企業人事部門、横浜市などの法人関係をターゲットに据えています。中間報告会での発表は、近年ワークショップ等でも活用される機会が増えてきたデジタルホワイトボードツール「miro」を使って行われました。

これまで、議論をもとにペルソナを描いたり、一歩踏み出せない原因等の掘り下げを行ってきたIKIGAIチームは、「我々が新たに新しいコミュニティを立ち上げるのではなく、既にあるリソースやコミュニティとの相乗効果を一番に考えたい」と言い切ります。コミュニティは存在していてもキラキラしすぎてて参加しにくい、一歩を踏み出しづらいという若者に寄り添っていくために、まずは、みなとみらいの企業合同での新人若手研修や、キャリア形成に関する情報提供のイベント等をきっかけにして自分のキャリアマインドを内省するような機会へとつなげ、IKIGAIと出会える越境体験やサードプレイスを提供していくということを目指していくそうです。

【オブザーバーからのコメント】
品川優氏(株式会社An-Nahal/横浜をつなげる30人1期メンバー)
新入社員研修の講師を仕事で担当することがありますが、特にコロナ禍の中でさまざまな人との出会いや気づきを得るようなリアルな場づくりには苦労している感触があります。企業の新入社員や若手だけでなく、クリエイターコミュニティなど多様な若手の繋がりをIKIGAIチームのプロデュースでつくっていけたら、とてもおもしろい価値を生みそうですね。

Happy Monday

「大人になることに希望を持つ子供を増やすとともに、大人もワクワクする仕組みを作る」をビジョンに掲げるチーム「Happy Monday」。仕事が憂鬱と感じる人にとって、月曜を迎えることは苦痛となってしまっている現状を何とか変えたい、子どもが大人の月曜を楽しくするためのアクターとして活動するという内容でプロジェクトを立案してきました。チーム発足当初はコアメンバーが2人、後のメンバーは兼務という状況でしたが、プラン発案者の土井さんのリーダーシップの力で、チームメンバー全員が主体的にコミットし、恒例となった土曜早朝の時間帯のミーティングをマイルストーンにしながらプロジェクトを推進してきました。

中間発表会までの期間、「横浜西区100人カイギ」や「横浜をつなげる30人」1期メンバーによるイベント「ミライストラボ」等にも登壇し、多くのポジティブフィードバックやネットワークを得てきました。

将来的にはクラウドファンディングの実施や商品化、全国へのプログラム展開等も視野に入れつつ、まずは大人、子ども双方のニーズを確認するという位置づけで、2022年5月の「母の日」をマイルストーンに、デザイン思考のフレームワークを用いた親子向けワークショップの企画を行う予定とのことです。

【オブザーバーからのコメント】
磯田絵里香氏(横浜市役所市民局/横浜をつなげる30人1期メンバー)
最初は少ない人数から始まったプロジェクトなのに多数のメンバーを巻き込んで5月のワクワクするイベントに向かっていっていてすごく良いなと思いました。一点気になったのは、子どもにとって「やらされ感」ではなく、子どもが望む形で活動をしていけるとよいかなと思いました。私も仕事で小学生と接点を持つことがあるのですが、案外子どもの方が発想が豊かだったりして、企画の枠に子ども達を当てはめない感じで設計できるととても素敵だなと思いました。

中間発表を終えて

6つのチームの中間発表のいずれもが、横浜の未来を思い、所属組織を越えて何ができるかを話し合って生まれてきたものであり、発表後には達成感とお互いのプレゼンテーションを讃える気持ちとが入りじまったような高揚感が、その場に漂っていました。発表後、下記の3つをテーマに振り返りセッションが行われました。1番目と2番目のテーマは、チームを越えた混合チームで話し合い、3番目のテーマではおなじみのチームメンバー同士での振り返りとなりました。

  1. 中間報告を終えた今の「自分」の気持ちのシェア
  2. 今後、所属チームに協力していけそうな事は何か?
  3. 自組織として関わっていけそうなリソースは何か?

2期メンバーからの声をいくつか抜粋します。

  • ほっとしています。こういった、社外のプロジェクトに参加させてもらうのが初めてのことで、でもあっという間に、スピード感ある皆さんとともに中間報告をむかえて、次に会うのが最終報告ということで、本当に早かったなと。意見が発散してしまうこともあったのですが、自分が資料に落とし込むことで、整理ができたのでよい機会になりました。
  • つなげる30人ってこういうプロジェクトに前向きな人が集まっているコミュニティであって、普段のビジネスシーンではこんなに何の障害もなく他組織との協働プロジェクトが進んでいくことって、ほぼないんだと思うんですよね。なのでそのまま、世の中一般で通用させるというのは実は難しくて、でもどうしたら社会や所属組織でも今回のような心地よい協働プロジェクトを再現できるかは、考えていきたいですね。
  • 振り返れば、グループが立ち上がった頃、同じ「子ども」という文脈でみんなで話し合いながら分化していった経緯があったので、「子どもの可能性Lab」「あんしんよこはま」「Happy Monday」の発表は全然違うチームの発表だとは思っていなくて、たまたま役割が分かれているだけ、という感じでお互いの発表に対して、親近感を感じたり自分に何ができるだろうと考えたりしながら、聴いていました。
  • ただただメンバーに感謝です。自分の思い起点で行動して、賛同して応援してくれる人が現れてくれて。この6カ月で自分自身、すごくブレイクスルーできたなと感じています。

1期メンバーが運営事務局として活動してきた第2期「横浜をつなげる30人」も、いよいよ2022年6月(もしくは7月の開催予定)が最終報告会となります。6つのチームによる取り組みの集大成がどのような形になっていくのか、今から楽しみです。

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